「家庭どうぶつ白書」から読み解く、ネコちゃんのための備えとは

ペット保険のアニコム損保をはじめとする、アニコムグループが発行する「家庭どうぶつ白書」をご存じですか?
約98万頭もの動物たちの疾病情報などをまとめた統計データ集です。
今回は2021年12月に発行された最新版より、ネコちゃんたちの平均寿命や死亡原因、そしてペット保険の大切さについてご紹介したいと思います。
このコラムで分かること
□気になる平均寿命、猫種ごとに違いはあるの?
□年齢によって変化する死亡原因とは?
□死亡率が高まるのは何歳くらいから?
□リスクに備えるペット保険という考え方
□まとめ
気になる平均寿命、猫種ごとに違いはあるの?
まずは、「猫種別の平均寿命(2019年度)」より、寿命が長い猫種10種を紹介します。
1位 15.1歳 日本猫
2位 15.0歳 混血猫
3位 14.9歳 ラグドール
4位 14.3歳 ペルシャ(チンチラ)
5位 14.0歳 ソマリ/アメリカン・カール/スコティッシュ・フォールド・ロングヘア―/ノルウェージャン・フォレスト・キャット
9位 13.9歳 アビシニアン
10位 13.8歳 ロシアンブルー
日本猫と混血猫、いずれも平均寿命15歳以上で、長寿の猫種といえそうです。
ワンちゃんは小型犬と比べて大型犬のほうが短命の傾向がありますが、ノルウェージャン・フォレスト・キャットやラグドールといった大型種が上位に名を連ねているところを見ると、ネコちゃんの平均寿命は体格にはそれほど左右されないのかもしれませんね。
また、ミヌエットやラガマフィン、エキゾチック・ショートヘアの寿命が比較的短いという結果が出ていますが、こちらも個体差があると思われます。
年齢によって変化する死亡原因とは?
次に、年齢と死亡原因の関係について考えていきたいと思います。
年齢ごとの死亡原因で、上位3位が以下の通りです。
5歳 泌尿器31.0%、全身性15.5%、呼吸器・消化器11.3%
10歳 泌尿器29.6%、全身性・腫瘍15.1%、消化器11.7%
15歳 泌尿器41.7%、全身性15.8%、消化器13.8%
4歳未満のネコちゃんは、5割以上が全身性、次いで4割以上が消化器系の疾患で亡くなっているようです。
しかし5歳を迎える頃には、その割合は一変。泌尿器系の疾患の死亡率が急激に高まっています。これは、腎臓病になりやすいネコちゃんの最大の特徴であるといえそうですね。
その後、10歳、15歳と見てみても、泌尿器系で亡くなるネコちゃんは高い割合を保っています。
ネコちゃんとは切っても切れない関係の腎臓病。予防、そして発症時の素早い対応のためにも、このデータをしっかりと認識しておきたいですね。
死亡率が高まるのは何歳くらいから?
続いて、年齢と死亡率の関係について見ていきましょう。
「家庭どうぶつ白書」の「猫の死亡率の年齢推移」では、5歳辺りから徐々に死亡率の上昇が見られます。泌尿器系の死亡率が高くなる時期とも一致しているのが気になりますね。
また、7歳以降、死亡率は更に上昇していきます。
7歳といえば、そろそろシニアの仲間入りを控えている年齢。
老化やそれに伴う体の変化で、病気を発症したり亡くなってしまったりするネコちゃんが増える時期でもあります。
年齢を重ねるごとに今まで以上に健康に気を配り、体調の変化や病気の兆候を見逃さず、早期発見することが重要であるともいえますね。
リスクに備えるペット保険という考え方
ネコちゃんが病気になってしまったとき、優先すべきは病状に合わせた適切な治療を受けさせること。
しかし同時に考えなくてはいけないのが、治療に伴う「医療費」についてです。
アニコム損保のペット保険「どうぶつ健保」の契約者に対し、ペット1頭へ支出した費用について行ったアンケート調査によると、2020年の猫のケガや病気の治療費は平均31,848円/年と、動物の医療費は高額であることが多いようです。
また、治療が長期に渡ることで、飼い主さんの生活を金銭的に圧迫しかねません。
十分な医療費が確保できないと、治療の選択肢が限られてしまう可能性も。
そんな万一の状況に備えるのが「ペット保険」です。
一定の保険料を納めることで、実際に支払う医療費の軽減につながりますし、必要な治療をためらわず受けさせることができるという大きなメリットがあります。
まとめ
ペット保険に加入すること、それは飼い主さんの医療費に対する不安を解消し、最愛のわが子に適切な治療をしっかりと受けさせる準備をすることに繋がります。
もしものための備えが必要だと感じている飼い主さんは、選択肢を狭めることなく治療に専念するためにも、検討してみてはいかがでしょうか。
また、既に加入済みの飼い主さんは補償内容が合っているかの見直しをしてみてくださいね。
*グラフはアニコムホールディングスが発行する「家庭どうぶつ白書2021」をもとにペット手帳が作成