先生教えて!毛が白いワンちゃんは紫外線の影響を受けやすいって本当?

質問に答えてくださるのは、Q&Aコーナーでもおなじみ、獣医皮膚科・耳科を専門とした獣医師チーム、Vet Derm Tokyoの伊從(いより)先生です。

答えは〇

――それはなぜですか?

「メラニン色素」というと答えは〇です!
シミになる厄介な物質だという印象が強いかもしれませんが、実は皮膚や毛を紫外線から守る働きがあります。

毛が白い子は、そのメラニン色素が少ないので、紫外線の悪影響が生じやすくなってしまうのです。

――特に紫外線の影響を受けやすいのは体のどこですか?

鼻や目、耳、お腹など、皮膚や毛が薄い部分は特に影響を受けやすいです。

日照時間の長い夏季は特に注意が必要で、海や山間部ではさらに紫外線の影響が強まるので、気をつけてあげましょう。

衣類や日焼け止めでワンちゃんのお肌を守ろう

――紫外線対策はできるのでしょうか。

紫外線から皮膚を守る方法としては、主に「服や帽子など衣類によるもの」と「日焼け止めによるもの」の2種類があります。

ワンちゃんに日焼け止め使うのが難しい場合には、紫外線の防御効果があるオレイン酸を含む「オリーブオイル」などを使うのもひとつですよ。

――ほかに何かできることはありますか?

暑くなってくると、「毛を切って涼しくしてあげたい」という飼い主さんも多いと思います。
ただ、実は毛はバリア機能として重要な役割を果たしているので、あまり短くカットすると紫外線などの刺激から皮膚を守れなくなってしまうのです。

皮膚は賢い臓器なので、環境に合わせて毛や血流の量を調整して、体温をある程度整えることができます。
夏季に強くなる紫外線の影響をふまえて、カットする長さを適宜調整してあげましょう。

――紫外線にはメリットもあるんですよね。

紫外線は適度に浴びれば、殺菌作用や皮膚におけるビタミンDの合成促進作用などのメリットもあります。

ただ、過剰に浴びてしまうと皮膚炎や発がん性、細胞障害などのデメリットもあるので、しっかりと注意してあげましょう。

――ありがとうございました。

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