先生教えて!界面活性剤に詳しくなろう

この質問に答えてくださるのは、ペット手帳Q&Aコーナーでもおなじみ、獣医皮膚科・耳科を専門とした獣医師チーム、Vet Derm Tokyoの伊從(いより)先生です。
シャンプーの大部分は水と界面活性剤からできています。
そのほか、保湿剤、薬剤、防腐剤、色素、香料などが含まれます。
シャンプーに汎用される代表的な界面活性剤は、「高級アルコール系」「石鹸系」「アミノ酸系」の3つです。
それぞれの系統の特徴をしっかり押さえておきましょう。
高級アルコール系
高級アルコール系の多くは石油から作られています。
【メリット】高い洗浄力、高い脱脂力、高い起泡力
【デメリット】皮膚への刺激性が強め
【総括】強い皮脂汚れの洗浄には効果的ですが、皮膚バリア機能が低下した状態の犬への使用は注意が必要です。
【代表選手】ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウムなど
石鹸系
ヤシ油やパーム油などの植物油から作られています。
石鹸は植物油に苛性ソーダを加えて作られるため、アルカリ性の洗浄剤となります。
【メリット】高い洗浄効果、皮膚へのダメージがマイルド
【デメリット】仕上がりが少しきしむ
【総括】比較的穏やかな洗浄効果が期待でき、かつ、皮膚へのダメージがマイルドです。
一方、皮膚表面のpHが一時的にアルカリ側に傾くことや、キューティクルの開きや毛のきしみ、石鹸カスなどが問題となることがあります。
【代表選手】オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウムなど
アミノ酸系
種々のアミノ酸と脂肪酸から作られています。
【メリット】毛と皮膚へのダメージが少ない
【デメリット】洗浄力弱め、脱脂力弱め、起泡力弱め
【総括】洗浄力や脱脂力、起泡力は高級アルコール系や石鹸系に劣ることがありますが、毛や皮膚への刺激が少ないことがメリットです。
高級アルコール系や石鹸系による洗浄で皮膚バリアへの障害が懸念される場合は、アミノ酸系を推奨します。
【代表選手】ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウラミノプロピオン酸ナトリウムなど
うちの子に合ったシャンプーを選ぼう!
いかがだったでしょうか?
界面活性剤にはいろいろな特徴があるのが分かりましたね。
ワンちゃんの体質や皮膚の状態を見ながら、ぜひその子に合ったシャンプーを選んであげてくださいね。