イエロードッグプロジェクト!「そっとしておいて」のメッセージを受け取ろう

みなさんは、リードなどに黄色いリボンを結んで歩くワンちゃんを見かけたことはありませんか?
それは単なるおしゃれではなく、イエロードッグの目印かもしれません。

今回は、ぜひたくさんの人に知ってほしい「イエロードッグプロジェクト」という取り組みについてご紹介したいと思います。

このコラムで分かること
✓イエロードッグプロジェクトってどんなもの?
✓どんなワンちゃんが目印を必要としているの?
✓黄色い目印、どう使ったらいいの?
✓ワンちゃんと接するためのマナーを見直そう!
✓まとめ

イエロードッグプロジェクトってどんなもの?

「イエロードッグプロジェクト」は、何かしらの「そっとしておいてほしい理由」や「近づかないでほしい理由」があるワンちゃんに黄色い目印をつけて、周りに知らせようという運動です。

犬の心理学者やドッグトレーナーなどのグループが発祥といわれており、2012年にスウェーデンから始まりました。
欧米を中心とした国々からも賛同が集まり、現在では大きなプロジェクトへと発展しています。

SNSやウェブサイトで拡散されたことにより、イエロードッグプロジェクトは全世界へと広まっていきました。

しかし日本では、まだほとんど知られていないというのが現状です。
むやみに近づかないでほしい、適度な距離を保ってほしい、そう思う飼い主さんやワンちゃんは意外と多いものです。

言葉が話せないワンちゃんからのメッセージを、私たち人間がきちんと受け取ってあげたいですね。

どんなワンちゃんが目印を必要としているの?

黄色い目印を必要としているのは、次のようなワンちゃんたちです。

▶健康上の問題がある
病気やケガなど、健康に不安を抱えているワンちゃん。
体力が落ちていたり、痛みを我慢していたりして、体が思うように動かせない場合があります。
無理に近づくと状態が悪化してしまう可能性も。

▶トレーニング中
いろいろなトレーニングにチャレンジしているワンちゃん。
トレーニングを効率的に行うには、集中力が大切だといわれています。
他の人や犬が近づくことで、せっかくの集中が途切れてしまい、トレーニングの妨げになるかもしれません。

▶社会復帰のための訓練中
さまざまな理由から、社会化が十分ではないワンちゃん。
人にも犬にも慣れていないことが多く、外に出ること自体を恐怖に感じていたり、緊張で気持ちが張りつめていたりと、ストレスフルな状況であることが少なくありません。
少しずつ訓練をしている途中なので、近づかないようにしましょう。

▶他の人や犬を怖がる、過剰に反応してしまう
臆病な性格で知らない人や犬を怖がるワンちゃん、または興奮しやすく相手に飛びついてしまったり、攻撃性が見られたりするワンちゃんなど。
不用意に近づくと、パニックを起こしたりケンカになったりと、トラブルの原因になりかねないため注意が必要です。

今回紹介した以外にも、何か「そっとしておいてほしい理由」を持ったワンちゃんが、みなさんの側にもいるかもしれませんね。

■注意点
「うちの子はイエロードッグだ」と安易に決めつけてしまうのはちょっと待った!
他の人や犬との関わりを制限することが、その子にとって最善の方法とは限りませんし、もしかしたら必要以上にワンちゃんの世界を狭めてしまうかもしれません。

しっかりとワンちゃんの様子を見ながら、じっくり判断してあげてくださいね。

黄色い目印、どう使ったらいいの?

最も一般的で簡単なのが、リードに黄色いリボンを結ぶことです。
手芸店や100円ショップなどでも手に入るため、気軽に始めることができますよ。

その際、ワンちゃんがリボンをかじったり、誤飲してしまったりしないように注意しましょう。

また最近では、メッセージ入りのバンダナや缶バッジ、かわいい蝶ネクタイなど、イエロードッグ専用のグッズも販売されています。
飼い主さんが愛犬のために手作りするのも素敵ですね。

洋服を嫌がらないワンちゃんなら、黄色い服を着せるという手もあります。
リードや首輪、ハーネスといったお散歩グッズを黄色でそろえるのも良いかもしれませんね。

まずは、何かしら黄色いものを、ワンちゃんとの生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

ワンちゃんと接するためのマナーを見直そう!

ここまで、イエロードッグプロジェクトについて紹介してきました。

では、イエロードッグに当てはまらないワンちゃんが相手であれば、どんどん近づいていっても良いのでしょうか?
いいえ、決してそうではありません。

ワンちゃん同士で挨拶をさせたい、一緒に遊ばせたい、そう思う飼い主さんは多いと思いますし、そのこと自体は犬の社会化においてとても大切です。

しかし相手の都合を考えず、急に距離を詰めるのはNG!
残念ながらマナー違反となってしまいます。

まずは飼い主さん同士でコミュニケーションを取り、近づいても大丈夫かどうか、お互いの意思を確認してくださいね。

不要なトラブルを避けるためにも、「うちの子は大丈夫」と思い込まないことも大切です。

まとめ

イエロードッグたちが身に着けている黄色い目印には、「そっとしておいてね」のメッセージが込められています。

しかし、この活動自体が日本であまり広まっていないため、せっかくのメッセージが周りに伝わらないというジレンマがあります。

いろいろな個性を持って生まれてきたワンちゃんたち、さまざまな事情を抱えたワンちゃんたちが、その子らしくのびのびと暮らすためにも、イエロードッグプロジェクトをたくさんの人に知ってもらいたいと願ってやみません。

イエロードッグかもしれないワンちゃんを見かけたら、遠くからそっと見守ってあげてくださいね。

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