いつまでもずっと一緒に! ネコちゃんの健康づくりに欠かせない栄養のこと

健康な身体づくりに欠かせない栄養素について、ちょっと真面目に学ぶコラムです。
第一回は水とたんぱく質、炭水化物、脂質について解説しました。次は微量でも健康に欠かせないミネラルとビタミンについて紹介しましょう。

過剰でも不足でも健康に影響するミネラル

ミネラルも体調を整えるのが役割です。
必要量は極めて微量ですが、なくてはならない栄養素です。過剰摂取は害があるものが多く、バランスが重要です。

ミネラルの中で、ネコちゃんの飼い主さんが敏感になって欲しいのが、慢性腎不全に関係する栄養素がナトリウムです。

摂取量に関しては、最低摂取量から上限値までに幅があり(0.5mg~3.1mg)、健康被害を受ける量はそれぞれの個体によって差があります。
かかりつけの獣医さんとネコちゃんの食生活や健康状態を相談しながら、健康維持に役立つ量を摂取することが大切ですね。

身体の調子を整えるはたらきのあるビタミン

ビタミンは体調を整える役割があります。
水溶性ビタミン(B、C)は、それが過剰な場合は体外へ排泄されますが、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は体内に蓄積されます。したがって、脂溶性ビタミンの過剰摂取には注意が必要です。

ネコちゃんはひなたぼっこが大好きですが、これは太陽の光に含まれる紫外線を皮膚にあびることで、ビタミンDを合成しているのです。

カルシウムの吸収には、ビタミンDも関わっていて、ビタミンDが不足するとカルシウム吸収不足になり、骨が弱くなります。

逆にビタミンDが過剰で、食事の中にカルシウムが十分でない場合は、骨からのカルシウム溶出が増えて、同じように骨が弱くなってしまいます。

「太陽にあたると骨が強くなる」と何となく知ってはいても、その仕組みがわかると、いかにネコちゃんのひなたぼっこが大切かがわかりますね。

また、ネコちゃんはワンちゃんと同じように、肝臓でビタミンCを合成できる身体の仕組みをもっているので、ビタミンCを含む食品を食べる必要がありません。

ミネラルウオーターには気をつけて

ネコちゃんに、もっとたくさんのミネラルを摂ってもらおうと、人間のミネラルウオーターを与えるのは危険です。
水はネコちゃんの大切な栄養素ですが、普段は水道水で十分です。

人間用のミネラルウオーターは軟水と硬水に分かれています。水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量が0~60mg/lを軟水、120mg/l 以上を硬水と定められています。

ミネラルの量が多いと尿路結石の原因となります。
災害時など、どうしてもミネラルウオーターを与えたい場合は、硬度を見て、60mg/l以下の軟水を選択するように心がけましょう。

水道水は微量の塩素で殺菌しているため、長時間、放置しておいても、水は痛みません。ミネラルウオーターの中には、時間が経つにつれて菌が発生する場合があるので、衛生面から見ても、水道水が無難です。

ミネラルもビタミンも普段食べているフードの中には十分含まれているので、ことさら欠乏症を心配する必要はありません。とはいえ、なるべく栄養の過不足なく、美味しく食べて健康でいてもらえるのが一番ですね。

これからも引き続き、ネコちゃんの栄養には、関心を持ち続けて欲しいと思います。

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