知っていますか?ネコちゃんの健康づくりに欠かせない栄養のこと

飼い主さんならば誰もが願っているのが、ネコちゃんの健康な身体づくり。いつまでも元気で楽しく暮らすためにも、健康で元気な身体でいてもらいたいものですね。

健康な身体に欠かせないのが正しい食生活です。人間と同じく、バランスの良い食事は、ネコちゃんの健康な身体づくりに欠かせないものです。

特にネコちゃんにとって必要な栄養素が欠けると、さまざまな病気の原因ともなります。今回はネコちゃんに必要な栄養素について、もう一度、おさらいしてみましょう。

栄養を学ぶ時に大切な「水」のこと

ネコちゃんにとって必要な栄養素は人間と同じように、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・水です。

ここでみなさんに質問ですが、最初に実際にネコちゃんと暮らす飼い主さんが一番気にしなければいけない「栄養素」は何だと思いますか?

「栄養素」というと、たんぱく質や炭水化物などがすぐに思い浮かびますね。でも、実際にネコちゃんと暮らしている飼い主さんが、最も大切にしなければならないのは水なのです。意外ですね!

「栄養素の解説なのに、最初に水?」「カロリーゼロなのに?」と疑問に思われる飼い主さんも多いでしょう。でも、水はネコちゃんの身体を健康に維持するために欠かせない、とても大切な栄養素のひとつなのです。

身体の脂肪がほとんど無くなっても、また、たんぱく質が半分失われても、生きていることはできますが、ネコちゃんの体の水分を15%以上失うと生命を維持することができないのです。

諸説ありますが、ネコちゃんは元々砂漠で生活していた動物で、水分を有効に使うために尿を濃縮して排泄します。そのために腎臓に負担がかかりやすいと考えられています。

新鮮な水をたっぷり飲むことが、ネコちゃんの健康維持のために、欠かせないのですね!

肉食のネコちゃんはたんぱく質の摂取が重要

人間にとってもたんぱく質は重要な栄養素ですが、ネコちゃんにとってたんぱく質はとても重要な栄養素です。「雑食の人や犬よりも、たんぱく質が多く必要」です。
また、草食動物に比べると腸も短くて、炭水化物を効率的に消化・吸収できない体の構造になっているのです。

必要量は理想体重1kgにつき1~3gと、研究機関により差がありますが、ネコちゃんの肝臓では酵素の活性が高く保たれているために、たんぱく質を多く摂取しても、分解されやすいことがわかっています。

タンパク質は不足すると健康被害が起こりやすくなってしまいます。
たとえば、必須アミノ酸のアルギニンが不足すると尿を正常にろ過できずにアンモニア中毒となるほか、脂肪肝になる危険性が高まります。

ですが、特定疾患のあるネコちゃんにとってはたんぱく質の過剰摂取は問題となる場合があります。
動物病院で食事の指示が出る場合があるので先生の指示に従い適切なフードを与えましょう。

人に比べると重要でない炭水化物

炭水化物は分解してエネルギーとなる「糖質」と、分解されない「食物繊維」の二つがあります。

糖やでんぷんは、消化酵素によって分解され体内のエネルギー源になり、食物繊維は腸内の細菌によって分解され、腸内環境を整えるのに役立ちます。

肉食動物のネコちゃんにとっては人間に比べると、それほど重要な栄養素ではありません。

現在では、肥満を抑えるために繊維質の多いダイエットフードが販売されているほか、繊維の整腸作用を利用した毛球症予防フードなど、炭水化物は健康維持の目的に合わせて利用されています。

エネルギー源として役立っている脂肪

脂肪はエネルギー源となり、1グラムあたりのカロリーが最も高い栄養素です。

炭水化物とたんぱく質のカロリーは1グラム当たり4キロカロリーなのに対し、脂肪は9キロカロリーと高いので、過剰摂取すると肥満になりますので注意が必要です。

猫のためにはならない「ネコまんま」

昔、ペットフードがなかった時代に与えられていた「ネコまんま」。

今でもごはんに鰹ぶしをふりかけたものを「ネコまんま」と呼びますが、ネコちゃんに必要なたんぱく質は少なく、炭水化物中心で、バランスの良い食事ではありません。昔のネコちゃんはネズミを捕食して食べていたので、自力でたんぱく質を摂取できていたのです。

現在、市販されている総合栄養食のキャットフードであれば、必要な栄養がバランス取よく配合されており、水とキャットフードだけで健康維持できるように作られています。

一部、「ペットフード公正取引協議会」が定めた栄養基準をクリアしていないフードも出回っていることもありますので、フードを購入する際は、「総合栄養食」の記載があることとネコちゃんの成長段階にあっているかを確認しましょう。

さらに飼い主さんが心配すべきなのは水です。飲水量の変化には常に注意をし、ネコちゃんが飲みたいときに、清潔で新鮮な水が飲めるように環境を整えてあげましょう。

ここまでで、水と三大栄養素について解説しました。次回はビタミン、ミネラルについて解説します。

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