ワンちゃんに必要な栄養素について、もう一度おさらいしてみませんか?

飼い主さんならば誰もが願っているのが、ワンちゃんの幸せ。いつまでも健康で元気よく、長生きして欲しいですね。健康で元気な身体づくりに欠かせないのが、バランスの良い毎日の食事です。

人間と同じように、正しい食生活はワンちゃんの健康な身体づくりに欠かせません!

必要な栄養素が不足したり多すぎたりすると、病気の原因ともなります。今回は、ワンちゃんに必要な栄養素について、もう一度おさらいしてみませんか?

犬は雑食でもヒトよりたんぱく質が多く必要

ワンちゃんにとって必要な栄養素は人間と同じように、たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル・水です。

動物は、水分を15%以上失ってしまうと、生命を維持することができません。したがって、水も重要な栄養素のひとつなのです!

1日に必要な水分量は、その動物が1日あたりに必要なエネルギーの要求量と同じですが、健康状態や食事によっても異なります。飲水量の急な変化には気を付けましょうね。

犬は人間とともに生活をする上で、雑食化が進みましたが、人間よりもたんぱく質を多く必要とします。

たんぱく質のはたらきと健康への影響

たんぱく質は、軟骨・腱・靭帯・筋肉・皮膚・被毛・爪などの最も基本的な構成成分であるとともに、酵素・ホルモン・赤血球の構成成分・免疫に関係する抗体としても働く、非常に重要な栄養素です。エネルギー源としても利用されます。

また、たんぱく質はたくさんのアミノ酸が繋がることでできていますが、そのアミノ酸のうちいくつかの物は“必須アミノ酸“と呼ばれ、体内で十分な量を作り出すことができないため、必ず食事から補給する必要があります。

・不足している場合
たんぱく質は不足すると筋肉量減少、皮膚や被毛のトラブル、食欲不振、貧血などの原因となります。

・摂りすぎると
特定疾患のあるワンちゃんにとってはたんぱく質の過剰摂取は問題となる場合があります。
動物病院で食事の指示が出る場合があるので先生の指示に従い適切なフードを与えましょう。

●グラフ出典元
「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808.html)を加工して作成

炭水化物のはたらきと健康への影響

炭水化物は、「糖質」と「繊維質」に分けられます。
糖質はエネルギー源となる栄養素で、過剰摂取すると、脂肪として蓄積され、肥満の原因となります。しかし、たんぱく質より手軽で安価にカロリーを維持できるというメリットもあります。

繊維質は胃腸のはたらきを正常に保つために必要な栄養素です。腸内ではたらく善玉菌の餌になるほか、有害物質を吸着して体内に排出させる機能をもっています。

・不足している場合
炭水化物は即効性のエネルギー源です。不足するとエネルギー不足で疲れやすくなります。

・摂りすぎると
過剰だと肥満を招き様々な疾病へとつながります。食物繊維を過剰に摂取すると下痢を引き起こしたり、鉄・カルシウム・亜鉛などのミネラルの吸収を妨げてしまいます。とはいえ、「普段より食べすぎてしまった」ぐらいでは影響はないので、あまり神経質になる必要はありません。

脂肪のはたらきと健康への影響

脂肪は脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、体内で合成できない必須脂肪酸の供給源として大切な栄養素のひとつです。嗜好性も高く、ワンちゃんも大好きですが、1キログラム当たりのカロリーが他の栄養素に比べて高いので、肥満には注意しましょうね。

脂肪酸は、エネルギー源となるほか、(1)細胞膜を構成する(2)皮膚や被毛を健全に保つ(3)ホルモンや酵素などを合成する、脂溶性ビタミンの吸収を助けるなどといった、重要な役割をもっています。

・不足している場合
脂肪が不足すると皮膚が乾燥したり、フケ、脱毛、膿皮症、外耳炎、指間炎などになりやすくなります。

・摂り過ぎると
過剰摂取すると、肥満・膵臓疾患・肝臓疾患などのリスクが高くなります。

フードを購入する際はパッケージをよく見ましょう

現在、市販されている総合栄養食のドッグフードであれば、必要な栄養がバランスよく配合されており、水とドッグフードだけで健康維持できるように作られています。

一部、「ペットフード公正取引協議会」が定めた栄養基準をクリアしていないフードも出回っていることもありますので、フードを購入する際は、「総合栄養食」の記載とワンちゃんの成長段階にあっているかを確認しましょう。

以上、ワンちゃんに必要な三大栄養素について紹介しました。
栄養について知ると、ドッグフードの成分表を見てみたくなりますね!

次回は微量でも大切なミネラルとビタミンについてご紹介しましょう。


●出典元
「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808.html)を加工して作成

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