先生教えて!中々治らない猫の厄介な外耳炎

この質問に答えてくださるのは、ペット手帳Q&Aコーナーでもおなじみ、獣医皮膚科・耳科を専門とした獣医師チーム、Vet Derm Tokyoの伊從(いより)先生です。

今回は「なかなか治らない猫の外耳炎」について紹介します。

猫さんの耳汚れにお悩みの方は多くいらっしゃると思います。耳の汚れの本当の原因を知ることの大切さが伝われば幸いです。これから猫さんを家族に迎える方も、予備知識としてご覧いただければと思います。

猫の耳汚れってどんなもの?

通常の耳の汚れであれば、洗浄液で洗うことで改善します。(洗う必要がないことの方が多いです。)しかし、あらゆるものを使っても全然改善しない場合は、汚れだけでなく、何か別の原因があることを疑ったほうがよいと思います。

耳汚れの原因は?

犬の外耳炎と同じく、アレルギーによるものも多いです。しかし、ここで知っておいて欲しいのは、猫の外耳炎・耳汚れは、耳の奥にできたポリープが原因であることも多いという点です。そのポリープの影響で、慢性的に耳が汚れてしまったり、菌が増えやすくなったりしてしまうのです。

耳のポリープは、ご自宅で耳を覗いても中々見えないのですが、鼓膜付近や中耳など、耳の奥のほうにできていることがあります。ポリープは片側にだけできることが多いため、両耳ではなく片耳だけ汚くなる、外耳炎が続くという場合は要注意です。

ポリープが心配・・・どうしたらいいの?

もしかしてポリープかなと思ったとき、まずは動物病院で耳鏡を用いて診てもらいましょう。耳鏡で確認できない場合、麻酔をかけ耳道内視鏡を使って診察し、必要であればポリープの処置を行います。

このポリープは若い頃からできることも多いので、片側の耳を気にするという子の飼い主さんは、受診を検討してみてください。

耳の異常を見つけたらかかりつけ医へ!

野良猫さんでも室内猫さんでも、耳の汚れがひどく、洗浄液や点耳薬で改善しない場合は、耳の奥にポリープなど別の原因が隠れている可能性があります。

しっかりと治すためにも、動物病院で診てもらうことが大切です。普段から耳の様子を気にかけてあげてくださいね。

伊從先生の専門皮膚科診察について
https://circus-ah.com/dermatology/about/
どうぶつの皮膚科・耳科 
https://www.instagram.com/pet_skin/
ペットのひふ科サイト  
https://magazine.vdt.co.jp/

ペット手帳に登録すると
年齢や季節に合わせた専門家のアドバイスが届きます